こちらの続きです。
夕食前に「牛乳をお出しします。配達と朝食時の提供、どちらがいいですか?」と聞かれ、「配達にしてください」と答えました。
朝7:00。ドアの外に牛乳配達の黄色いポストが置かれていました。
中にはお手紙付きの牛乳。
この手紙やポストに郷愁を誘われるというか、和むというか、癒されるというか――とにかく素敵の極みです。美味しくいただきます。
この日の朝は、貸切風呂(予約制・無料50分)を使いました。畳敷きで温かいお風呂です。最も、大浴場でもあまり人に会いませんでした。
※木、金の宿泊です。混雑を避けるため、土日祝日はあまり出かけません。
8:00に朝食。
「これからお越しください」コールが入ってから、食事処に向かいます。電話の際に「お布団を畳んでよろしいですか?お部屋にコーヒーを沸かしておいてよいですか?」と聞かれたので「両方お願いします」と答えました。
玉子焼きは、出来立てのアツアツが提供されます。村崎ワカコになった気分で、ひとつひとつ味わっていただきました。
☝村崎ワカコ
いわゆる「海苔、納豆、焼き鮭」的な朝食と違って、滋味あふれる美味しいものでした。
部屋に戻ると、コーヒーの良い香りが漂っています。
布団も片づいています。ゆっくりと珈琲を堪能しました。
食事が用意されていて、戻ったら寝具が片づけられ、珈琲が準備されて良い香りが漂っている。何たる至福。上げ膳据え膳が旅館の醍醐味ですね。
さわんど11:30発のバスに乗るため、出発までのんびり過ごします。
ただし。
「帰る時は入室時と同じくらいに部屋を整理整頓する」が信条なので、お宿スタッフなみに片づけました。作務衣はきちんと畳み、洗面は使用済みタオルで飛沫のないように拭き、家具や備品の乱れがないように整える。
――お部屋さん、お世話になりました。ありがとう。
最後に一礼して、出発します。この習慣が根付いてから、本当に旅行運が良くなりました。天候や交通機関の乱れで不遇を被ったことはないし、旅館でのトラブルにもほぼ見舞われません。
別に運を良くしようと狙っているわけでなく、気分がいいから続けているだけなのですけど。
帰りは、バス停まで車で送っていただきました。
スタッフさんが皆明るくてテキパキしていて、本当に良いお宿でした。
チェックアウトの時に「今年の落葉で作ったしおり」を1枚選ばせてもらいました。
手書きのメッセージや、郵便配達の牛乳、お手製のしおりなど、心和むおもてなしがいっぱいで、本当に居心地の良い宿でした。
最近は「効率化」「生産性」ばかり声高にもてはやされますが、ちょっと時間をかけた心遣いは、やはり心に灯がともるものですね。
またいつか、訪れてみたいなと思う宿がひとつ増えました。